ドイツ中世のロマンへと思いを馳せる・・・大詩人の偉業を現代によみがえらせる画期的なアルバムドイツ中世の詩人ヴァルター・フォン・デア・フォーゲルヴァイデ[c.1170-c.1230]は、この時代に質量ともに他の追随を許さないさまざまな詩を生み出した抒情派の吟遊詩人(ミンネゼンガー)でした。扱ったテーマも幅広く、宮廷恋愛歌、教訓詩、格言詩、政治詩、挽歌、宗教詩と多分野にわたって傑作を生みだし、長く後世に大きな影響を与えました。彼の音楽的遺産は、彼の生涯と同じように不明な部分が多く、現代に伝えられている作品もごくわずか。そうした中で、今回アメリカ出身のバス歌手でリュート奏者のジョエル・フレデリクセンと、彼がリーダーを務めるアンサンブル・フェニックス・ミュンヘンが、音楽学者や中世音楽の専門家と緊密に協力し、時代考証を経たうえで、ヴァルターの作品を現代によみがえらせました。ヴァルターの曲だけでなく、ジャウフレ・リュデル[1100?-1147?]らフランスの吟遊詩人によるシャンソン、演奏メンバーによる新曲も収録されています。フレデリクセンは「実際にヴァルターの詩を歌い、また音楽を作ることで、私たちは彼の力強く繊細な文章を読むだけよりもはるかにその本質に近づくことができます。そうすることで、中世をより身近に感じることができるのです」と語っています。 ヴァルターは、フランスのトルバドゥールのメロディを参考にしたかもしれません。トルヴェールとトルバドゥールのレパートリーとミネシンガーのレパートリーとの間の関連性を強調するために、中世音楽研究家でボストン・カメラータのリーダーであったアンヌ・アゼマが加わり、フレデリクセンのユニークな低音による歌と中世時代のリュートの「シトル」、そしておそらくフォーゲルヴァイデが自身で演奏したであろう中世のハープとフィドルとともに、この偉大な吟遊詩人の音楽を再構築し、その世界が実に刺激的で独自のものであることを証明しています。(輸入元情報)【収録情報】● フォーゲルヴァイデ:Zuo Rome voget, zuo Pulle kunic● フォーゲルヴァイデ:Under der linden● フォーゲルヴァイデ:Vil wunder wol gemachet wip● マルク・レヴォン[1970-] : Vil wunder wol gemachet wip - Estampie● フォーゲルヴァイデ:Mir hat her Gerhart Atze ein pfert● ゴーティエ・デスピノー[?-1272]:Quant je voi l'erbe menue● フォーゲルヴァイデ:Hebet sydus (Arr. by Marc Lewon)● フォーゲルヴァイデ:Muget ir schowen● ヴァンサン・キビルディス:Ich saz uf einem steine (Instrumental)● フォーゲルヴァイデ:Ich saz uf einem steine (Arr. by Marc Lewon)● 作者不詳(11-13世紀):Alte clamat Epicurus● ジャウフレ・リュデル:Lanquan li jorn son lonc en mai● フォーゲルヴァイデ:Nu alrest leb ich mir werde, "Palastinalied" (Arr. by Marc Lewon)● フォーゲルヴァイデ:Ich han min lehen● フォーゲルヴァイデ:Durchsuezet und gebluemet● フェリックス・ヴェリー : Tannhauser Stampedes● フォーゲルヴァイデ:Fro Welt, ir sult dem wirte sagen アンサンブル・フェニックス・ミュンヘン ジョエル・フレデリクセン(歌、中世シトル) アンヌ・アゼマ(歌) ヴァンサン・キビルディス(中世ハープ、歌) フェリックス・ヴェリー(中世フィドル、歌) 録音時期:2022年3月13-16日、8月16-17日 録音場所:ドイツ、ハイルスブロン、Refectory 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)Powered by HMV