名門古楽器オーケストラが、若きモーツァルトに大きな影響を与えた歴史的都市へと誘うフライブルク・バロック・オーケストラはドイツ・グラモフォンと新しく創造的パートナーシップを開始しました。そして今回、有名なマンハイムの宮廷楽団と関連のある作品を集めたアルバムを発売します。モーツァルトがマンハイムで聴いたかもしれない音楽を身近なものにして、現代のリスナーに自分たちでこの時代を体験してもらおうという試みです。「モーツァルトがマンハイムで学んだことがその後の彼の人生にとってどれほど価値あるものであったかはいくら誇張してもし過ぎることはありません。その時期を経て、モーツァルトは音楽の質、個性、独創性において新しいレベルに達しました。私たちがコラボレーションするのにこれ以上ふさわしい場所があるでしょうか?」とフライブルク・バロック・オーケストラのドラマトゥルク、Martin Bailは述べています。 このアルバムにはクリスティアン・カンナビヒ、イグナーツ・ホルツバウアー、ゲオルク・ヨーゼフ・フォーグラーなどによるあまり知られていない作品と、マンハイムを訪れた頃のまだ若く成長期にあったモーツァルトによる作品が収録されています。中でも、マンハイムの音楽の特徴である音の微妙な変化、ドラマティックな効果とコントラストを表現しているカンナビヒの交響曲第55番ハ長調、カール・ヨーゼフ・トエスキの『フルート、オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ、ファゴットとチェロのための六重奏曲』、その演奏を聴いて「この音楽に多くの想像力があった」ことに驚いて父親レオポルトに手紙に書いた、イグナーツ・ホルツバウアーの歌劇『ギュンター・フォン・シュヴァルツブルク』の序曲は必聴です。 1985年にドイツのフライブルク音楽大学の学生たちによって結成されたフライブルク・バロック・オーケストラは今日、世界の主要な古楽器オーケストラのひとつです。自分たちで慎重に定めた芸術信条に従って協議で決めてゆく自主運営のアンサンブルとして活動しています。1770年代のマンハイム宮廷楽団のように指揮者を置かず、協奏曲のソリストも自分たち演奏者の中から選んでいます。よく知られた曲でも新しく発見された音楽でも、このオーケストラの音楽家たちは自分たちの演奏に最高の信頼を得るために、どのような事情で作品が書かれたのか、その作曲家の意図は何だったのかを明らかにすることを目指しています。2017年からは新たに芸術監督となったクリスティアン・ベズイデンホウトと、ヴァイオリニストのゴットフリート・フォン・デア・ゴルツのもと、最近では19世紀の音楽も採り入れるなど、レパートリーを広げています。(輸入元情報)【収録情報】1. フォーグラー:ジングシュピール『スミルナの商人』より序曲2. カンナビヒ:交響曲第55番ハ長調3. ダンナー:ヴァイオリン協奏曲ヘ長調4. トエスキ:六重奏曲変ロ長調5. ホルツバウアー:歌劇『ギュンター・フォン・シュヴァルツブルク』より序曲6. モーツァルト:アリア『アルカンドよ、告白するが…私は知らない、どこからくるのか』 K.2947. モーツァルト:交響曲ハ長調 K.102(歌劇『羊飼いの王様』 K.208による) ニコル・シュヴァリエ(ソプラノ:6) フライブルク・バロック・オーケストラ ゴットフリート・フォン・デア・ゴルツ(指揮、ヴァイオリン:3) 録音時期:2022年3月7-10日 録音場所:フライブルク、アンサンブルハウス 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)Powered by HMV