全集完結。プロコフィエフの最初と最後の作品によるこだわりの選曲メルニコフのプロコフィエフのソナタ集、レコード芸術誌特選に輝いた第1集、第2集に続く第3弾の登場です。 今回はプロコフィエフ「作品1」であるソナタ第1番と、完成された最後の作品であるソナタ第5番改訂版という、まさに出発点と到着点が収められているのに注目。 プロコフィエフのピアノ・ソナタといえばメルニコフの師匠スヴィヤトスラフ・リヒテルが作曲者からの信任厚く十八番としていましたが、この3篇だけは何故か演奏したことがなく、当然録音も残っていません。いわば「リヒテルが弾かなかったソナタ集」。彼ならばどう弾いたかはメルニコフが一番分かっているはずで、もちろんモノマネではなく片鱗を味わえるのが興味津々です。 ピアノ・ソナタ第1番は学生時代16歳の作で、スクリャービンの影響が感じられます。第5番はもともと「作品38」として1923年にパリで作曲され、交響曲第2番や歌劇『炎の天使』と同時期の過激な内容でしたが、最晩年の1953年に大改訂を施し、新たな「作品135」が附番されました。 『束の間の幻影』はリヒテルも数篇を愛奏した小品集。全曲版なのが嬉しい限りで、プロコフィエフの移ろいゆく気分をメルニコフが絶妙に表わしています。(輸入元情報)【収録情報】プロコフィエフ:● ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調 Op.1● ピアノ・ソナタ第3番イ短調 Op.28● ピアノ・ソナタ第5番ハ長調 Op.135(1953年改訂版)● 束の間の幻影 Op.22(全20曲) アレクサンドル・メルニコフ(ピアノ) 録音時期:2021年2月 録音場所:ベルリン、テルデックス・スタジオ 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)Powered by HMV