デ・プロファンディスが歌うモラレス。ミサ曲『千々の悲しみ』!イ・ファジョリーニやケンブリッジ・タヴァナー合唱団のメンバーとして活動したマーク・ドゥーリッシュによって2011年に結成され、その独創的な活動で注目を浴びるルネサンス音楽専門の男声ヴォーカル・アンサンブル、デ・プロファンディス。「Hyperion」からは『ベルナルディーノ・デ・リベーラ』、『セバスティアン・デ・ビバンコ』、『フアン・エスキベル』と、知られざるスペイン・ルネサンスの音楽を精力的にレコーディングしてきたデ・プロファンディスの「Hyperion」第4弾は、クリストバル・ド・モラレスの2つのミサ曲とマニフィカトを収録。 モラレスはジョスカン・デ・プレの死後、パレストリーナとラッススが台頭する間の時代に活躍したスペイン・ルネサンスの大家であり、おそらく当時もっとも有名な作曲家です。これまでの録音(デ・リベーラ、デ・ビバンコ、エスキベル)に比べれば著名な音楽家ですが、本格的な調査・研究は途上であり、今回収録されるミサ曲やマニフィカトの録音も限られていました。メインとなるミサ曲『千々の悲しみ(Mille regretz)』は、天正遣欧少年使節団が帰国後に豊臣秀吉に聴かせたというエピソードでも有名なジョスカンの『千々の悲しみ』で知られる、フランスのシャンソンを元にしたパロディ・ミサ。ミサ曲『Desilde al cavallero』は、今日ではあまり知られておりませんが、カベソンやゴンベールの作品にも用いられている当時のスペインの流行歌を基にしており、いずれもモラレスの比較的早い時期に書かれたであろうと考えられています。 決まった音楽監督置かず、プロジェクトごとにその道のスペシャリストを指揮者に招くというのもデ・プロファンディスの特徴のひとつです。今作では、イ・ファジョリーニの創設者ロバート・ホリングワースと、ザ・シックスティーンのアソシエイト・コンダクターであり、「Coro」レーベルでは知られざるポーランド・バロックの録音シリーズでその手腕を発揮してきた実力者イーモン・ドゥーガンがそれぞれ指揮を担当。ジョスカンの『千々の悲しみ』と『Desilde al cavallero』の原曲もマーサ・マクロリナンの歌で収録し、ミサ曲『千々の悲しみ』は、サンクトゥス〜アニュス・デイの部分は1544年版と1535/7年初稿版の両ヴァージョンを収録するなど、隙の無いプログラム構成も大きなポイントです。(輸入元情報)【収録情報】1. ジョスカン・デ・プレ:千々の悲しみ2. モラレス:ミサ曲『千々の悲しみ』3. モラレス:ミサ曲『千々の悲しみ』(1535/7年初稿版より サンクトゥス、ベネディクトゥス、アニュス・デイ)4. モラレス:第1旋法によるマニフィカト5. 作者不詳(16世紀スペイン):Desilde al cavallero6. モラレス:ミサ曲『Desilde al cavallero』 デ・プロファンディス マーサ・マクロリナン(アルト:1,5) リンダ・セイス(リュート、ビウエラ:1,5) ロバート・ホリングワース(指揮:1-5) イーモン・ドゥーガン(指揮:6) 録音時期:2022年5月2-4日 録音場所:ロンドン、セント・ジュード・オン・ザ・ヒル教会 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)Powered by HMV