フルシャ&バンベルク響、ブルックナー『ロマンティック』を3つの版で録音!ブルックナーの交響曲にはいくつかの「稿」が存在することはよく知られています。ここに収録されている第4 番『ロマンティック』もそうした作品のひとつです。今回、ヤクブ・フルシャ率いるバンベルク交響楽団は長年のブルックナー演奏の経験をもとに3つの版を録音。フルシャ自身も指揮者にとってすべての版を録音できるということはまたとない機会であると考えこのプロジェクトに賛同。また聴き手にとっても異なる版を同じ演奏者で聴くことで、作曲家の意図、版が複数存在する意義などを判断することができるでしょう。 『ロマンティック』という副題や、長大すぎない演奏時間であることから、ブルックナーの9曲の交響曲の中で最も人気の高い作品である第4番。1874年の初稿を完成させた後、ブルックナー自身によって1878年と80年に改訂、さらに1887/88年には弟子のレーヴェらによって、ブルックナーの監修のもとに改訂されました。それから、1936年に音楽学者のローベルト・ハースによる1878/1880年稿を底本に弟子たちの校訂を取り除いた版が出版され、1953年には音楽学者のレオポルト・ノヴァーク(ノーヴァク)によるハース版に修正を加えた版が出版されました。 この録音は、2004年に国際ブルックナー協会から出版された、1888年稿(第3稿)を底本として音楽学者ベンジャミン・コーストヴェットが改訂したものを使用しています。 さらにボーナスとして「村の祭り」と名付けられた「まぼろし」のフィナーレといくつかの草稿を収録。ブルックナー自身が「Volksfest(村の祭り、あるいは民衆の祭りとも)」と呼んだフィナーレは、第1稿の改訂作業中の1878年8月1日から9月30日までのあいだに作曲されたもので、通常、ブルックナーの第4番とされる形態、すなわち、1878年に書かれた第1、2、3楽章の第2稿が活かされ、1879年から1880年にかけて書き上げられた第4楽章の第3稿とを合わせたことにより、取り外されました。このフィナーレは全体ではずいぶんと趣きの異なる味わいで、楽章全体の長さが短い替わりに、そのぶんキャッチでユニークな内容ともなっています。(輸入元情報)【収録情報】ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調 WAB104『ロマンティック』Disc1(72:16)● 1874年第1稿(コーストヴェット校訂、2021)Disc2(68:52)● 1878/80年第2稿(コーストヴェット校訂、2018)Disc3(67:56)● 1888年第3稿(コーストヴェット校訂、2004)Disc4● 1878年版「村の祭り」フィナーレ+草稿 バンベルク交響楽団 ヤクブ・フルシャ(指揮) 録音時期:2020年11月 録音場所:バンベルク、ヨゼフ・カイルベルト・ザール 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)Powered by HMV