ケラスのソロの超絶技巧とカデンツァの圧巻の説得力!とてつもなくエレガントにして刺激的なC.P.E.バッハの作品集ケラスによる、この上なくエレガントなC.P.E.バッハの登場。音楽への真摯な姿勢に貫かれた活動を展開しているチェリスト、ジャン=ギアン・ケラス。明晰であいまいなところのない譜面の読み込みに裏打ちされたその音楽は、ますます冴えわたる精度と透明度を増し、ケラスがさらなる高みへと登っていることを感じさせます。共演は、アンサンブル・レゾナンツ。過去の偉大な作品から現代音楽まで、切れのある解釈で聴き手を魅了する18人の名手よる弦楽アンサンブルで、まさにケラスと絶好の相性の良さといえるでしょう。ケラスは2010〜13年、アーティスト・イン・レジデンスを務めています(指揮のミナージは、2018〜20年のアーティスト・イン・レジデンス)。 ここに収録された作品は、C.P.E.バッハのベルリン時代、もっとも充実していた頃に書かれたもの。特にチェロ協奏曲は、ソロ楽器は名手のために書かれた華々しいヴィルトゥオジティで、ソロ楽器とオーケストラが対等のものとして扱われ、両者間の対話も魅力です。イ短調の協奏曲は、第1楽章冒頭せきたてられたようなオーケストラの前奏の後、ケラスの奏でるチェロの入りがなんとも繊細かつエレガントで、きわめて印象的。その後のオーケストラとソロの美しいかけあいにぐいぐいと引き込まれます。終盤のカデンツァはケラスの真骨頂で、現代音楽かと思うような瞬間と超絶技巧にくぎ付けです。イ長調の協奏曲はC.P.E.バッハの作品の中でも名曲と名高いものですが、終楽章のジーグに倣った急速な楽章は、アンサンブル・レゾナンツの巧さとケラスの超絶技巧を堪能できます。2曲の協奏曲の間にはさまれた交響曲は、まさに疾風怒涛のきわみ。モーツァルト以前の交響曲はピリオド楽器で、というのがなんとなく定着している中、モダン楽器によるこのなんとも鮮やかな演奏は、C.P.E.バッハの音楽そのものの楽しさをあらためて存分に味わうことのできるものとなっています。(写真c Marco Borggreve)(輸入元情報)【収録情報】C.P.E.バッハ:● チェロ協奏曲イ短調 H.432 (Wq 170)● 交響曲ト長調 H.648 (Wq 173)● チェロ協奏曲イ長調 H.439 (Wq 172) ジャン=ギアン・ケラス(チェロ) アンサンブル・レゾナンツ リッカルド・ミナージ(指揮) 録音時期:2017年6月27-29日 録音場所:聖ニコライ教会、パリー・オーディオ・ハンブルク 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)Disc11 : Concerto for cello, strings & continuo ("No. 1") in A minor, H. 432, Wq. 1702 : I. Allegro assai (10:53)3 : II. Andante (08:02)4 : III. Allegro assai (06:01)5 : Symphony for strings & continuo in G major, H. 648, Wq. 1736 : I. Allegro assai (02:44)7 : II. Andante (01:58)8 : III. Allegretto (03:39)9 : Concerto for cello, strings & continuo ("No. 3") in A major, H. 439, Wq. 17210 : I. Allegro (06:48)11 : II. Largo maestoso (07:31)12 : III. Allegro assai (05:26)Powered by HMV