平崎真弓とロレンツォ・ギエルミのデュオと仲間たちによるスコルダトゥーラ(変則調弦)を使用したバロック・ヴァイオリン作品集現在、ヨーロッパで最高のバロック・デュオとして高く評価されている、平崎真弓とロレンツォ・ギエルミのデュオと仲間たちによるスコルダトゥーラを使用したバロック・ヴァイオリン作品集です。 スコルダトゥーラとは変則調弦のことで、弦楽器の調弦を通常とは異なる調にし、響きや音色を変化させる技法のこと。主にバロック時代のボヘミアで流行しましたが、このアルバムには、ボヘミアのハインリヒ・イグナツ・フランツ・ビーバー[1644-1704]とその弟子のヨハン・ヨゼフ・フィルスマイヤー[1663-1722]の作品だけでなく、スコルダトゥーラを初めて作品に導入したというイタリアのビアッジョ・マリーニ[1594-1663]から、ミラノ出身のカルロ・アンブロジオ・ロナーティ[1645-c.1715]、ヘンデルの同僚でイギリスで活躍したピエトロ・カストルッチ[1679-1752]、『悪魔のトリル』で知られるジュゼッペ・タルティーニ[1692-1770]まで、ボヘミア以外の作曲家のスコルダトゥーラによるヴァイオリン作品も集めた好企画盤です。 平崎真弓は数種類のヴァイオリンと多様に調弦された楽器を用いて、まばゆいほどの技巧でこの一風変わった、なんとも魅力的なヴァイオリン作品の数々を奏でています。時折加えられる即興的装飾もセンス抜群です。ギエルミら精鋭揃いの通奏低音奏者たちも、雄弁な演奏で見事にヴァイオリンを支えています。驚くほど豊穣で多彩なスコルダトゥーラの技法を、圧巻の演奏で堪能できる1枚です。(写真Ⓒ Michel Marang)(輸入元情報)【収録情報】● ビーバー:ソナタ第6番ハ短調 C143〜ヴァイオリン独奏のためのソナタ集(ザルツブルク/ニュルンベルク1681年)● フィルスマイヤー:ヴァイオリン・パルティータ第5番ト短調〜宮廷のための技巧的調べ(ザルツブルク1715 年)● ロナーティ:ヴァイオリン・ソナタ第1番(第7番)ト短調〜ヴァイオリンと低音のための12のソナタ(ミラノ1701年)● 作曲者不明:ヴァイオリン独奏のためのバレット ト短調〜クレムジア/クロムニェジーシュに残る手稿譜 A4683(1670年以後)● カストルッチ:ソナタ第12番イ長調〜ヴァイオリンとヴィオローネまたはチェンバロのためのソナタ集 Op.1(アムステルダム1718年)● タルティーニ:パストラーレ イ長調〜低音を伴うヴァイオリンのための12のソナタ Op.1(ロンドン1734年)● マリーニ:ヴァイオリンのための創意の第2ソナタ〜風変わりで当世風のソナタ、シンフォニー、カンツォン...Op.8(ヴェネツィア1629年) 平崎真弓(ヴァイオリン) 使用楽器: 1. クリスティアン・ザガー(チューリッヒ2003年) スコルダトゥーラ g-d’-a’-e’’(ビーバー&マリーニ) スコルダトゥーラ g-d’-a’-d’’(ビーバー、フィルスマイヤー&作曲者不明の作品) スコルダトゥーラ a-e’-a’-e’’(タルティーニ) スコルダトゥーラ g-d’-a’-c’’(マリーニ) 2. ジュゼッペ・ガッフィーノ(パリ1750年頃) スコルダトゥーラ g-d’-g’-d’’(ロナーティ) 3. ティエルケ周辺の製作者(ハンブルク1700年頃) スコルダトゥーラ a-e’-a’-e’’(カストルッチ) クリストフ・ウルバネツ(ヴィオラ・ダ・ガンバ) ヨハネス・レッシャー(ヴィオローネ) ミヒャエル・フライムート(リュート、テオルボ、バロック・ギター) ロレンツォ・ギエルミ(チェンバロ) 録音時期:2019年11月16-19日 録音場所:ケルン、ドイツ放送カンマームジークザール 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション) ディジパック仕様Powered by HMV