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『復活』が大評判のバルビローリ&BPOシリーズですが、今回の6番はサウンド・演奏内容ともさらに上。音質はモノラル最高水準で解像度・迫力とも文句なし。終楽章コーダの大詰めではバルビローリの絶叫(?)と共に凄まじい音響が鳴り響きます。 演奏は全編アグレッシヴなもので、その激した表情は、スタティックで拡大鏡的な面白さのスタジオ盤とは別人の感(解釈の基本ラインは同一ですが)。オーケストラの力にも大きなものがあり、第1楽章冒頭から力強く重い低弦の迫力はベルリン・フィルならではと言えますし、アンダンテにおける弦楽の陶酔的なまでの美しさもさすがというほかありません。 なお、この演奏では、第2楽章と第3楽章を初演時のスケルツォ/アンダンテという配置にしていますが、第4楽章のハンマー・ストロークは通常の2度打ち(テスト盤では12:08と16:28)となっています。 バルビローリとベルリン・フィルの関係はきわめて親密なもので、1949年から1969年の約20年のあいだにいくつものモニュメンタルな演奏をおこなっています。 中でも有名なのは、1963年1月に客演した際、大成功を収めたコンサートの成果を受け、楽員の要請もあって翌年EMIにレコーディングされたというマーラーの交響曲第9番ですが、マーラーではほかにも第1番(1970年1月)、第2番(1965年1月)、第3番(1969年3月)、第4番(1964年1月)、第5番(1968年1月)、第6番(1966年1月)が演奏されているとのこと。 そのどれもが大きな成功を収めたことは、当時、マーラーとは縁遠かったベルリン・フィルというオーケストラを考えるとまさに異例なことであったといえるでしょう(ベルリン・フィルがマーラーの音楽を通常のレパートリーに組み込むようになるのは1972年以降です)。 バルビローリが最初にマーラーの音楽に触れたのは1930年、オスカー・フリート指揮する交響曲第4番のリハーサルのことでした。以後、熱心なマーラーの擁護者のひとりとなった彼は、まず手兵のハレ管弦楽団を指揮して作品の普及に努め、1957年には交響曲第1番『巨人』のスタジオ・レコーディングもおこなっています。 今回CD化されるのは1966年1月13日に演奏された交響曲第6番『悲劇的』のライヴ録音です。音は残念ながらモノラルですが、自由ベルリン放送収録の正規音源ということで、質感そのものはかなり良好。『復活』の翌年ということもあってか、トゥッティでのマッシヴな衝撃力の再現は実に見事で、繊細で艶やかな色彩美も文句なし。モノラルとしては最高水準の音質です。リマスタリングはいつも通りポール・ベイリーが担当。【収録情報】・マーラー:交響曲第6番イ短調『悲劇的』 ベルリン・フィルハーモニー サー・ジョン・バルビローリ(指揮) 録音時期:1966年1月13日 録音場所:ベルリン、フィルハーモニーザール 録音方式:モノラル(ライヴ)【演奏時間比較(第1楽章呈示部反復は無し)】1966L BPO 18:35+14:08+12:11+28:51=73:451967L NPO 18:53+13:45+11:53+28:57=73:281967S NPO 21:12+15:50+13:55+32:50=83:47Disc11 : 1:Allegro energico, ma non troppo2 : 2:Andante moderato3 : 3:Scherzo, wuchtig4 : 4:Finale, allegro moderatoPowered by HMV
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