フランスのクラヴサン音楽の粋、バルバトル鬼才ルセがその魅力に迫る!フランス、およびヨーロッパの古楽界を鍵盤演奏および指揮の両方で牽引する鬼才クリストフ・ルセが、18世紀後半にフランスで活躍したバルバトル作品を録音。ガイヤールのアンサンブル「プルチネッラ」などでも活躍するヴァイオリン奏者、ジローヌ・ゴーベール=ジャックとの共演も含まれます。 バルバトルは1724年にディジョンに生まれ、父にオルガンを最初に習い、父亡きあとジャン・フィリップ・ラモーの兄弟にオルガンやチェンバロを学びながら教会のオルガニストを務めました。1750年にパリに定住し、コンセール・スピリチュエルのオルガン奏者として活躍、さらにサン=ロック教会、そしてノートル=ダム教会(ダカンらと分担しながら)のオルガン奏者も務めました。当時バルバトルは大成功を収めており、チャールズ・バーニーはサン・ロック教会でのバルバトルの演奏後に自宅に招かれたところ、自宅にはいつも30人弱の紳士淑女がつめかけており、ペダルつきオルガン、そしてリュッカースのチェンバロもあったといいますから、バルバトルが音楽家としても、そして経済的にも成功していたことがうかがわれます。 ルセは、フランスのチェンバロ音楽は時期によって3つに分けられると述べています。第1期はルイ・クープラン、ダングルベール。第2期はフランソワ・クープランやラモー。そして第3期が1730年以降、デュフリやロワイエ、そしてバルバトルらに代表されるとしています。第1期はルイ14世の影響で宮廷舞曲に倣った典雅な作品が多く、第2期は少しイタリアの様式の影響も受けつつ親密な作品が多く、そして第3期はヘンデルやD.スカルラッティらの作品がパリでも出版されていたこともあり、テクニックの効果重視の作品が多くみられ、同時にフランソワ・ブーシェの絵画のような牧歌的世界の作品も多い、としています。 バルバトルのクラヴサン作品集第1巻は1759年にパリで出版されました。手の交差も要求されるテクニック、さらには古典派を思わせるアルベルティ・バスの伴奏形もみられます。チェンバロでオーケストラを再現するような多様な音色も求められる作品が並びます(第2集は出版されませんでした)。クラヴサン独奏曲とカップリングに収録されたヴァイオリンとの作品は3楽章構成で、第2楽章ではヴァイオリンがソリスト的活躍もみせる秀作です。全篇を通してフランス風序曲のように壮麗でオーケストラをも思わせる豪奢な響きと、独奏曲ならではの繊細な表情や集中を要する作品で、ルセの真骨頂ともいえる内容となっています。(輸入元情報)【収録情報】バルバトル:● クラヴサン作品集第1巻 (1759)● ソナタ形式の、ヴァイオリン伴奏つきクラヴサンのための作品、第1ソナタ クリストフ・ルセ(チェンバロ/ジャン=クロード・グジョン/ジャック・ヨアヒム・シュヴァーネン、パリ、1749年以前に製作) ジローヌ・ゴーベール=ジャック(ヴァイオリン) 録音時期:2017年9月25-27日 録音場所:パリ、シテ・ド・ラ・ミュジーク 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)Disc11 : Pices De Clavecin (Stcke Fr Cembalo) 1. Buch2 : La De Caze (005: 15)3 : La D'Hricourt (003: 31)4 : La Sgur (004: 14)5 : La Monmartel Ou La Brunoy (002: 52)6 : La Boullongne (006: 35)7 : La Castelmore (004: 38)8 : La Courteille (003: 04)9 : La Bellaud (003: 00)10 : La Lamarck (003: 04)11 : La Berville (004: 30)12 : La Lugeac (003: 15)13 : La Suzanne (003: 07)14 : La Genty (002: 12)15 : La Malesherbe (004: 33)16 : La Berryer Ou La Lamoignon (003: 22)17 : La Laporte (003: 13)18 : La Morisseau (004: 56)19 : 1. Allegro (004: 04)20 : 2.Aria Gratioso (003: 03)21 : 3.Allegro (003: 45)Powered by HMV