2023年11月来日!驚きの美音。カザルス四重奏団による自然に歌うような『フーガの技法』スペインが誇る弦楽四重奏団、カザルス四重奏団。しばしば来日しており、その自然かつ美しい音色に貫かれた音楽は広くファンを獲得しています。今回の彼らの新譜は、バッハのフーガの技法。ディスクの最初の一音めから、ただならぬ美しさに驚かされます。彼らが録音場所に選んだのは、サヴァールも録音を行っているカルドナ城修道院。美しく自然な残響で、非常にぜいたくなサウンドです。美しさをたたえた音色で奏でられる4本の線が、冒頭のシンプルなフーガから、より精巧な変奏曲やカノン、そして頂点となる不完全な最終フーガまでを、非常に自然に、気負うことなく描いていきます。さらに「コントラプンクトゥス14」(未完の三重フーガ) をニ長調の和音で終止させ、つづいて『フーガの技法』の初版の楽譜に収められているコラール『汝の御座の前に、われはいま進み出で』に入るという試みでディスクを締めくくります。このコラールは、バッハが死の床で書いたといわれていたもので、『フーガの技法』の初版譜に掲載しようというアイディアが誰からのものかはわかりません。しかし、このコラールは『フーガの技法』という傑作に対する賛辞、あるいは離別の曲のようでもあります。カザルス四重奏団の『フーガの技法』の演奏は、自然に歌うような演奏で、対位法の複雑に絡み合う線にからめとられてしまうようなことはありませんが、それでも『フーガの技法』の特殊な空気の後にこれがあると、なんだかとてもほっとするCDのしめくくりとなっています。 カザルス四重奏団は1997年結成。2000年にロンドン(現ウィグモア・ホール)国際弦楽四重奏コンクール優勝(ユーディ・メニューイン賞)、2002年にハンブルクのブラームス国際弦楽四重奏コンクール優勝を始めとする数々の国際コンクールで最高賞に輝いています。2005年バルセロナ市賞、2006年国民音楽賞を受賞。2015〜2019年にかけてベートーヴェンの弦楽四重奏曲録音を行うほか、多数のCDをリリース、世界的に高い評価を得ています。2007年の初来日以降、2009年、2011年、2014年、2019年に日本ツアーを行っています。2018年6月「サントリーホール・チェンバーミュージック・ガーデン2018」に招かれ、ベートーヴェン・チクルス(全6回)を行い絶賛を博しました。2020年9 月より「バルセロナ弦楽四重奏ビエンナーレ」の芸術監督も務めています。2022-2023シーズンに結成25周年を迎えます。(輸入元情報)【収録情報】J.S.バッハ:● フーガの技法 BWV.1080● コラール『汝の御座の前に、われはいま進み出で』 BWV.668 カザルス四重奏団 ヴェラ・マルティネス・メーナー(ヴァイオリン) アベル・トーマス(ヴァイオリン) ジョナサン・ブラウン(ヴィオラ) アルナウ・トーマス(チェロ) 録音時期:2022年3月 録音場所:スペイン、カルドナ城修道院 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)Powered by HMV