Michael Sipser教授による “Theory of Computation” の講義はMIT屈指の名講義で、教室には活気と笑いが絶えることはない。本書はその講義ノートをもとにまとめられた、この分野の標準的教科書である。 定理を述べたあと直ちに証明に取りかからず、証明のアイデアを与える工夫、証明の失敗例に言及して理解を深めさせるなど、随所に講義の雰囲気が感じられる、教育的配慮の行き届いた教科書になっている。 第3版では、「決定性文脈自由言語」に関する節が新たに加えられたほか(第2巻)、問題や解答が追加されるとともに、いくつかの話題に関して、第2版刊行後の研究の進展について説明を加えた。第3章 Church–Turingの提唱 3.1 Turing機械 3.2 Turing機械の変型 3.3 アルゴリズムの定義 第4章 判定可能性 4.1 判定可能な言語 4.2 判定不可能性第5章 帰着可能性 5.1 言語理論における判定不可能問題 5.2 単純な判定不可能問題 5.3 写像帰着可能性第6章 計算可能性の理論における先進的な話題 6.1 再帰定理 6.2 数理論理における判定可能性 6.3 Turing帰着可能性 6.4 情報の定義