小さな町のはずれにある、まちの動物病院には、大きなとらねこがいました。とらまるです。とらまるには、ひみつがありました。夜になると、人間たちにはないしょで、「やまの動物病院」をひらいて、山の動物たちの病気やけがを治していたのです。さて、北風のふくある晩のことでした。山から、ウサギのおばさんがやってきて、「山へ往診に来てちょうだい」と、とらまるにたのみました。とらまるは、途中で出会うカメやムササビ、イノシシやシカやサルに、つぎつぎに手当てをしてやりながら、山をのぼっていきました。すると、山の上の滝のそばで、とらまるをまっていたのは……?翻訳家・画家・作家として子どもの本の世界で活躍するなかがわちひろの、オールカラーの楽しい幼年童話。好評『やまの動物病院』の第二巻です。