歴史のように人生のように日が昇り沈んでいくドイツ800年の時を70分で巡る意欲作アンナ・ルチア・リヒターの麗しい歌唱がさえわたる来日公演も高く評価され近年人気上昇中のドイツのメゾ、アンナ・ルチア・リヒター。「光」をテーマにドイツ・リート800年の歴史をたどるスケールの大きなアルバムを発表しました。「明るく透明で、集中力があり正確、またドラマに対して鋭い感覚をもつ」とグラモフォン誌が評した彼女の歌唱を存分に味わえる内容です。 ヴォルケンシュタインとフォーゲルヴァイデの作品は現代記譜法で書かれた最初期の歌曲。これを「夜明け前の光」とし、そこから時代順に、日が昇り光を増していくようにアルバムが進みますが、ライマンやリームといった20世紀の作品に入っていくと(音楽の完成度は高いままですが)日が傾き、沈んでいくイメージが現れてきます。人が生まれ成長し、老いて死にゆくような感覚にも近い構成で、最後のグレゴリオ聖歌も意味深く感じられます。様々な様式の歌を迫真の表情で力強く歌いきったルチア・リヒターの素晴らしさはもちろん、楽器を変えひとりで共演をこなした歌曲伴奏の名手ブシャケヴィチにも拍手!(輸入元情報)【収録情報】1. オスヴァルト・フォン・ヴォルケンシュタイン[c.1376/78-1445]:誰ぞ光り輝くのは2. ヴァルター・フォン・デア・フォーゲルヴァイデ[c.1170-c.1230]:菩提樹の下3. J.S.バッハ[1685-1750]:愛する太陽の光と輝きは BWV.446/おお暗き夜、いつ去るや BWV.4924. ハイドン[1732-1809]:田舎のたのしみ(Hob.XXVlaより)5. モーツァルト[1756-1791]:ラウラによせる夕べの想い K.5236. シューベルト:[1797-1828]:水上に歌う Op.72, D774/小人 Op.22-1, D.771/夕映えのなかで D.7997. ファニー・ヘンゼル[1805-1847]:春 Op.7-38. メンデルスゾーン[1809-1847]:新しい恋 Op.19-49. シューマン[1810-1856]:窓硝子 Op.107-2/夕べの歌 Op.107-610. ブラームス[1833-1897]:夏の夕べ Op.85-111. ヴォルフ[1860-1903]:炎の騎士12. ベルク[1885-1935]:4つの歌曲 Op.2([眠ること、眠ること、ただ眠ること/眠りこんだ私は/私は一番強い巨人にうち勝ち/風は暖かく、日当たりのよい牧場に下草が萌える)13. アリベルト・ライマン[1936-]:光が棄てられたのち(「暗闇に包まれて」より)14. ヴォルフガング・リーム[1952-]:枯れた花15. ハンス・アイスラー[1898-1962]:そして仕舞いに憧れは消え/自殺について(「ハリウッド・ソングブック」より)16. クルト・ヴァイル[1900-1950]:光のなかのベルリン17. 作者不詳:3つの贈り物(グレゴリオ聖歌、11世紀初頭) アンナ・ルチア・リヒター(メゾ・ソプラノ) アミエル・ブシャケヴィチ(ハーディ・ガーディ:1,2,17、チェンバロ:3、クラヴィコード:4、フォルテピアノ:5-8、ピアノ:9-16) 録音時期:2023年7月23,24,26,27日 録音場所:シュトゥットガルト、SWR放送スタジオ 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)Powered by HMV