西ゴートのウルフィラ司教が四世紀中頃に翻訳した聖書は、ゲルマン諸語のなかで現存する最古の文献である。これは聖書学上のみならず、言語学的にも大きな意味をもつ。この最古の文献に残されているゴート語は、現代英語のより良き理解にも大いに有用である。なぜbeの過去形はwasとwereなのか、なぜgoの過去形はwentなのか、なぜgoodやmanyの比較級はbetterやmoreなのか、なぜhe shallsではなくてhe shallなのか。これらの疑問に対する答えの手掛かりが本書の中にある。日本初の入門書。待望の復刊。 序文 改訂増補版の序文 新版(第三版)の序文I. ゴート人の歴史II. ゴート語の位置III. ウルフィラとゴート語訳聖書IV. ゴート語の外的構造V. 放蕩息子の話の本文VI. 本文分析VII. ゴート語訳とギリシャ語原典並びにラテン語訳,ルター訳との比較VIII. ゴート語の保守的特徴IX. 変化語尾一覧表X. 語彙XI. 索引XII. 銀文字写本の写真と原文XIII. 参考文献XIV. 日本人のゴート語研究 520年頃のゲルマン諸国図