東洋医学を志す者にとってバイブル的存在である『霊枢』。日本語に翻訳され、解説を加えたものはあまたあるものの、どこかもどかしさが残る。自ら原文にあたって、古の中国で人々が考え出した神髄に迫りたいー。本書は、原文『霊枢』を日本独自の読み方である<漢文>の手法で読むための入門書です。基礎から応用まで段階を追って懇切丁寧に教授しました。改訂版では老人医学を古典から追究。長年、中国医学史を研究してきた著書による解説は知識欲を刺激すること必至です。2018年発行の改訂増補版。<第一章 『霊柩』を手に入れよう>1.現代日本語で書かれた、注釈つき『霊柩』2.原文の『霊柩』3.現代中国語で書かれた『霊柩』4.電子化された原文をインターネットで5.おすすめ勉強法<第二章 『霊柩』とは何か?>1.『霊柩』の書誌ーどうやって『霊柩』は現代へたどり着いたか2.『霊柩』の医学史的意義ー『霊柩』は、どこがすごいか3.『霊柩』の構成ー『霊柩』はこんなふうにできている<第三章 漢和辞典を読む>1.漢和辞典を読む2.漢字一文字を引いてわかること3.漢和辞典の「付録」に書いてあること4.『漢和辞典』を超えて<第四章 文法の話>1.文章とは?2.文成分の用語3.品詞とは何か4.二文字熟語の構造5.書き下ろしにつなげるために<第五章 漢文を読むための準備>1.漢文で読む意義2.訓読の方法<第六章 短文から始めて『霊柩』を読む>1.【主語+述語】のかたち2.【述語+目的語・補語】のかたち3.【主語(あるいは先行語)+有/無+目的語・補語】のかたち4.よく使われる虚字5.否定と二重否定6.疑問文7.反語8.比較・選択の構文9.再読文字10.仮定・条件を表す虚字11.使役の形を作る助字12.受身の分を作る虚字13.その他:いくつか、確認事項<第七章 簡単中国鍼灸書史ー『霊柩』以外の鍼灸古典1.鍼灸書の歴史と鍼灸治療の成立2.鍼灸関連資料<第八章 疑問をちょっと進めて考える>1.文献資料研究の基礎作業2.『素問』陰陽応象大論を読む3.和刻漢籍を参考にする4.『霊柩』小針解と『素問』鍼解篇を見る5.『霊柩略』-ほとんど取り上げられることのなかった『霊柩』<第九章 古典にできることー例えば「老年医学」の構築のために1.「老」字を手がかりに2.古典では「老」字はどう使われてきたか3.宋代の医書の「老年医学」