ブラジル音楽の中心地リオデジャネイロが生んだ"アンファンテリブル"。マルチ・インスト奏者/編曲家アントニオ・ネヴィスが示すブラジル音楽のニュー・スタンダードとも呼ぶべき一枚が登場!ジュリアードやカリフォルニア・ジャズ音楽院で教授も務めるブラジルを代表する音楽家エドゥアルド・ネヴィスのもとに生まれたアントニオ・ネヴィス。早くからその音楽的才能を発揮し、14歳のころにはサンバの聖地としても知られるリオのラパ地区でドラマーとしてのキャリアをスタートさせる。楽器をトロンボーンに持ち替えるとめきめきと頭角を現し、すぐにエルザ・ソアレスのようなベテラン歌手、アミルトン・ヂ・オランダ、レオ・ガンデルマンといったブラジルを代表する器楽奏者、そしてモレーノ・ヴェローゾやカシンといったMPBの中心を担う音楽家達と共演。リオの音楽シーンに欠かせないトロンボーン奏者/編曲家へと成長していった。現在はサンパウロがブラジル音楽産業の中心となっているが、かつては多くのメディアやレコード会社が当時の首都であったリオデジャネイロに集中し、ブラジルを代表する音楽であるサンバやボサノヴァ、MPBといった音楽はリオから生み出され世界へと羽ばたいていった。そういった音楽の伝統は今も健在で、民俗音楽からよりユニバーサルな音楽、ポピュラーからアカデミック、サンバからラップ、陽気なラテンのリズムから体系的なジャズの手法、MPBから古き良きロックンロールに至るまで、様々な音楽を受け入れつつも、独自のアイデンティティーを失わずにブレンドし、自分たちの表現とするのがカリオカ(リオっ子)の音楽だが、そんなリオの音楽シーンでキャリアを築いてきたネヴィスが、若手からベテランまで、シーンを代表する音楽家達とともに作りあげた作品が本作『A Pegada Agora É Essa』である。参加したのはアミルトン・ヂ・オランダ、レオ・ガンデルマン、アナ・フランゴ・エレトリコ、グス・レヴィ、アリーシ・カイミ、ジョアナ・ケイロスといった現在のブラジルを代表する音楽家たち。「自分自身の音楽を存分に表現してほしいと参加したミュージシャンには伝えました」とネヴィスが語る通り、オリジナルからカバー曲に至るまで、用意した楽曲には、音楽家達が存分にその音楽性を発揮するスペースが与えられた。と同時にジャズのイディオムとブラジルの多彩なリズムをクロスさせることで、ブラジル音楽への貢献を示した作品でもあるという。"A Pegada Agora E Essa"ではパルチード・アルト、"Jongo no Feudo"、 "Luz Negra" ではジョンゴ、"Noite de Temporal" ではカンドンブレ、"Forte Apache" ではウンバンダといったアフロ系ブラジリアンのリズム、そして"Simba"では世界中を席巻するリオ発のゲットー・ミュージック=ファンキ・カリオカ(バイレ・ファンキ)のリズムをフィーチャアすることで、ブラジルからしか生まれえない混沌としたインストゥルメンタル・ミュージックが表現されている。ボサノヴァのように特定の名前はまだないものの、新たな何かが確実に始まっていることを感じさせる音楽と言えるだろう。フーベルやアナ・フランゴ・エレトリコといった面々とともに形成する「リオ新世代」音楽ファン、そして世界各地で増殖を続ける新世代ジャズのファンにも推薦したい、2021年の幕開けにふさわしい一枚の登場である。(メーカーインフォメーションより)Disc11 : Simba (Feat. Leda)2 : A Pegada Agora e Essa (Feat. Esguleba)3 : Noite De Temporal (Feat. Alice Caymmi)4 : Luz Negra (Feat. Ana Frango Eletrico)5 : Forte Apache (Feat. Hamilton de Holanda)6 : Lamento De Um Perplexo (Feat. Leo Gandelman)7 : Summertime8 : Jongo No Feudo (Feat. Edu Neves)Powered by HMV