ボサ・ノヴァ以前から第一線で活躍する本格派大衆歌謡の名女性歌手、マルレーニが1974年残したMPBライブ音源、世界初CD化。あのアルトゥール・ヴェロカイがアレンジャーを務め、熱心なブラジル・マニアから支持される傑作。マルレーニことヴィクトリア・デルフィーノ・ドス・サントスは、広義のブラジル歌謡界における最も偉大な女性歌手の一人。1956年のレコード・デビュー以来第一線で活躍しつつ、今なお現役で歌い続けている。いわゆる全盛期ボサ・ノヴァのムーヴメントとはやや距離を置き、70年代に入り「MPB」として認知されるブラジル・ポピュラー音楽の歌手たるポリシーを、ずっと以前から演じてきたのが、このマルレーニその人だ。1969年RGE原盤「E A MAIOR」が現在音源を所有するソン・リヴレからCD化。2011年には同作が日本盤でも発売され、ようやくブラジル音楽ファンの身近に感じられるようになった彼女。そしてMPB全盛期の1974年にマルレーニが残した世紀のライブ傑作が、この「TE PEGO PELA PALAVRA」。オリジナルLP2枚組を1CDで再現した待望の世界初CD化である。このライブ盤を企画したのは、エルミニオ・ベロ・ヂ・カルヴァーリョ。かのエリゼッチ・カルドーゾの夫であり、プロデューサー/ミュージシャン/歌手/作詞作曲家と音楽シーン全般に波及する才能を発揮し、ブラジル音楽史に残る名盤を数多く手掛けてきた御大。そして全編のアレンジを、シンガー・ソングライターとしても信望される、アルトゥール・ヴェロカイが務めたことで知られるステージだ。ジャケット・アートさながらのシックでいて迸るパフォーマンスが繰り広げられる全19トラック。今聞くほどになおグルーヴィなテイストを堪能できる、アルトゥール・ヴェロカイ的なサウンド・メークが施されたトラックが肝。さらにはロック・テイストのナンバーから、しめやかなミディアム・バラードといった構成の起伏も見事。ミルトン・ナシメントの「Ponta De Areia」カバーや、マルレーニの十八番で、ベッチ・カルヴァーリョらの歌でも知られるサンバ「Se É Pecado Sambar」への展開なども圧巻。そして「Dois Pra Lá, Dois Pra Cá」「Cabaré」「Beguine Dodói」といった、ちょうど同時期にエリス・レジーナがヒットさせた印象派のボレロ系レパートリーは、エリスとの対比を感じる意味でも興味深い。1924年生まれのマルレーニ。本作収録時ですでに51歳を迎えているとは思えないほどのパワフルなヴォイス・ワークと、円熟を垣間見せる洒落ていて奥深い歌いまわしの双方とも聞き入ってしまう素晴らしさ。MPB隆盛の時代をそのままパッケージした注目の復刻作。(メーカー資料より)Disc11 : Lata D'água / Zé Marmita 2 : P'ra Quem Quiser Cantar / Se É Pecado Sambar (Si E Pecado Sambar) 3 : Canção Do Medo 4 : Primeira Bateria / Brôco Do Dodô Crioulo (Bloco Do Dodô Crioulo) 5 : Dois Pra Lá, Dois Pra Cá 6 : Ronda 7 : Cabaré 8 : Na Subida Do Morro 9 : Pra Onde Vai Valente? 10 : Sereno / Mané Fogueteiro 11 : Debaixo Do Sol 12 : Rock'n Roll / Beguine Dodói 13 : Resistindo 14 : O Trem Chegou / Trem Das Alagoas 15 : Ponta De Areia / O Trem (Você Se Lembra Daquela Nega Maluca Que Desfilou Nua Pelas Ruas De Madureira) 16 : Cabra Cega / O Chefão 17 : Galope 18 : Meu Coração É Um Pandeiro / Roupa Prateada 19 : Catedral Do Inferno / Se É Pecado Sambar (Si e Pecado Sambar)Powered by HMV