ピュア〜ヴァイオリンとチェンバロのための作品集ヨナス・チェンダーライン、アレクサンダー・フォン・ハイセン18世紀にはよく知られていたものの現在ではあまり聴かれない作品と、バッハの作品を組み合わせ、華麗なヴァイオリンの演奏技巧に注目した作品集です。 ヨハン・パウル・フォン・ヴェストホフ[1656-1705]は、1674〜97年の間、ドレスデン宮廷楽団員を務める傍ら、ヴァイオリンの名手としてイタリア、フランス、オーストリア、イギリスなどヨーロッパ中を演奏旅行し高い評価を得ていました。1699年にヴァイマール宮廷楽団音楽監督を務め、18歳のバッハがヴァイオリン奏者として数カ月ヴァイマールに滞在したときも、まだ健在でした。ヴェストホフのヴァイオリン曲には、多声的な演奏を行うあらゆる技術が集約されており、バッハ以前の多声的ヴァイオリン音楽の最大の巨匠ともいわれています。アルカンジェロ・コレッリ[1653-1713]はコンチェルト・グロッソ、トリオ・ソナタの完成者、さらにヴァイオリン奏者としてローマ楽派を創立。近代ヴァイオリン奏法の確立者でもあり、作曲・奏法ともに、後世に多大な影響をもたらしました。アントニオ・マリア・モンタナリ[1676-1737]はコレッリの弟子であり、ヘンデルの時代のローマにおけるヴィルトゥオーゾ・ヴァオリニストと活躍しましたが、まだ深く研究されていない作曲家です。J.S.バッハはこれらの作曲家にインスピレーションされ、ヴァイオリン作品を作曲していたとも言われています。 2013年に当時まだ20歳の若き4人がフランクフルトで結成し、新世代のバロック音楽演奏家の中で最もエキサイティングなアンサンブルと高い評価を得ている「フォー・タイムズ・バロック」のメンバー2人による演奏です。ヴァイオリンのヨナス・チェンダーラインは11歳よりバロック・ヴァイオリンを本格的に学び始め、17歳にしてドイツのミヒャエルシュタインに本拠を置くユース・バロック・オケ「Bachs Erben(バッハス・エルベン)」のソリスト&ンサートマスターを務めたという名手。このプログラムでも、常に歴史的背景をディスカッションし、最新の資料研究に基づく演奏を目指しています。このアルバムでは、最もシンプルなヴァイオリンとチェンバロという組み合わせのみで、それ以外の通奏低音は加えていません。そのため、ヴァイオリンのメロディや技巧が鮮やかに映し出されます。すでに彼らの演奏は「新鮮なエネルギッシュかつスリリングなパフォーマンス」と評されており、メロディラインの見極めが見事で、重厚さや気品さえ感じられる演奏です。(輸入元情報)【収録情報】1. コレッリ:ヴァイオリン・ソナタ ト短調 Op.5-5(全曲)2. モンタナリ:ヴァイオリン・ソナタ ニ短調(全曲)3. J.S.バッハ:トッカータ ニ長調 BWV.9124. J.Sバッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調 BWV.1004〜ジーグ5. J.S.バッハ:ヴァイオリン・ソナタ第6番ト長調 BWV.1019(全曲)6. ヴェストホフ:ヴァイオリン・ソナタ第2番イ短調(全曲)7. ヴェストホフ:ヴァイオリン・ソナタ第2番イ短調〜第3楽章(ギター伴奏版) ヨナス・チェンダーライン(バロック・ヴァイオリン/作者不明、北イタリア、1750年頃:1,2,4,5,6) アレクサンダー・フォン・ハイセン(チェンバロ/C.ツェルのモデルによるM.クラーマーによるレプリカ:1,2,3,5,6) ツァハリアス・チェンダーライン(ギター:7) 録音時期:2016年2月28日〜3月1日 録音場所:ドイツ、コブレンツ、エーレンブライトシュタイン、ハイリヒ十字架教会 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)Powered by HMV