バッハ:クリスマスのためのカンタータ・ボックス(6CD)ガーディナー&EBS、モンテヴェルディ合唱団ガーディナーによるバッハのカンタータ・シリーズから、クリスマスに関連した作品を集めた6枚組ボックス・セット。 冒頭から華やかな合唱曲が鳴り響く人気曲第63番で始まり、ロ短調ミサのグローリアとそっくりな第191番、見事なフーガによる冒頭合唱曲がミサ曲BWV233にも転用された第91番など、クリスマスのために書かれたカンタータは、活気のある合唱を軸に、内省的なアリアやレツィタティーヴォが聴ける美しい作品が多く、個別に聴いても、まとめて通して聴いても心地良い印象が持続するのが特徴です。【カンタータ巡礼】バッハ没後250年企画として、ガーディナーとイングリッシュ・バロック・ソロイスツ&モンテヴェルディ合唱団により実現された壮大な企画「バッハ:カンタータ巡礼」は、ヨーロッパとアメリカの約50都市の教会を訪れ、バッハの教会カンタータ全曲を演奏するというものでした。 ドイツ・グラモフォン(アルヒーフ)はこのツアーと並行してレコーディングをおこない、いくつかのアルバムをリリースしましたが、計画はなぜか頓挫してしまい、それを引き継ぐかたちで、ガーディナー自身が運営する“モンテヴェルディ・プロダクションズ”のレーベル“ソリ・デオ・グローリア(Soli Deo Gloria)”から続編が着々とリリースされています。 ちなみに、ソリ・デオ・グローリアとは、「ただ神にのみ栄光がありますように」という意味のラテン語で、ロ短調ミサ自筆譜の最後に記された言葉としても有名。 シリーズのジャケットに用いられている写真が、一見、キリスト教文化圏に属さないものばかりなのは、バッハの音楽がキリスト教的な視座を超え、汎神論的世界観すら内包する奥深いものであることを象徴するという意味合いもあるのでしょうか。ガーディナーのこのシリーズへの意気込みの感じられる凝った制作方針です。(HMV)【収録情報】J.S.バッハ:クリスマスのためのカンタータ集(6CD)CD1【降誕節第1日】・カンタータ『キリストの徒よ、この日を彫り刻め』 BWV.63・カンタータ『いと高きところには神に栄光あれ』 BWV.191CD2【降誕節第1日】・カンタータ『賛美を受けたまえ、汝イエス・キリストよ』 BWV.91・カンタータ『笑いは、我らの口に満ち』 BWV.110【降誕節第2日】・カンタータ『キリストをわれらさやけく頌め讃うべし』 BWV.121・カンタータ『神の子の現れたまいしは』 BWV.40CD3【降誕節第3日】・カンタータ『試練に耐えうる人は幸いなり』 BWV.57・カンタータ『見よ、父のわれらに賜いし愛の』 BWV.64・カンタータ『甘き慰めなるかな、わがイエスは来ませり』 BWV.151・カンタータ『われ汝にありて喜び』 BWV.133CD4【モテット】・『主にむかいて新しき歌をうたえ』 BWV.225【降誕節後の日曜日のためのカンタータ】・カンタータ『出で立て、信仰の道に』 BWV.152・カンタータ『新たに生まれし嬰児』 BWV.122・カンタータ『神は頌むべきかな!いまや年は終わり』 BWV.28【新年のためのカンタータ】・カンタータ『主にむかいて新しき歌を歌え』 BWV.190CD5【新年のためのカンタータ】・カンタータ『わが魂よ、主を頌めまつれ』 BWV.143・カンタータ『神は喜び叫ぶ声と共に昇り』 BWV.41・カンタータ『主なる神よ、汝をわれらは讃えまつらん』 BWV.16・カンタータ『神よ、汝の誉れはその御名のごとく』 BWV.171CD6【新年後の日曜日のためのカンタータ】・カンタータ『見たまえ、御神、いかにわが敵ども』 BWV.153・カンタータ『ああ神よ、いかに多き胸の悩み』 BWV.58・カンタータ『人々シバよりみな来たりて』 BWV.65・カンタータ『いと尊きインマヌエル、虔しき者らを率いたもう君候』 BWV.123 モンテヴェルディ合唱団 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ ジョン・エリオット・ガーディナー(指揮) 録音時期:1999-2000年 録音方式:ステレオ(デジタル)Powered by HMV