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音楽之友社
現代ポーランド音楽の100年 シマノフスキからペンデレツキまで【音楽書】
ポーランド共和国復興100周年を記念して、2018年にポーランド音楽出版社(PWM)から刊行された、1918年以降(作曲家シマノフスキ~ペンデレツキの時代)のポーランドの音楽に焦点を当てた書籍の待望の邦訳。
かつて日本で刊行された「ポーランド音楽史」はいずれも絶版で情報も古く、社会主義国時代に書かれたものだけに内容にも問題があった。しかし本書は従来とは違うアプローチでポーランドの歴史と社会の中に音楽をとらえ直した、文体も現代的な好著である。著者の女性ならではの視点も新鮮で、作曲だけではなく、政治、演奏やメディアといった世界にも新しい目配りがきいたものとなっている。
図版も多く、親しみやすい。なお、日本語版独自の内容として、日本で特に有名なテクラ・ボンダジェフスカ(バダジェフスカと誤読されてきた《乙女の祈り》作曲者)に関することや、作曲家タンスマンの来日についての記述もある。
本邦唯一の「ポーランド現代音楽史」。
目次
第一章 プロローグ
(1) ショパンの祖国
(2) ポーランドの音楽的表象
(3) ピアノーー独立の「揺りかご」
第二章 第二共和国から第三共和国までの百年
(1) 復活した共和国
・音楽的展望
・協和音と不協和音
・大戦間期20年間の音楽上の出来事
・作曲家たちの間で
(2) 占領期の音楽
(3) ポーランド人民共和国
・混沌とテロルの日々
・雪解け
・ポーランドの作曲家はいかに「冷戦」を生き抜いたか
・音楽の架橋
・音楽と政治
・音楽の光景
・作曲家たちはどのようにポーランド人民共和国体制の黄昏を表現したか
(4) 第三共和国
・各々には各々の必要に応じて
・百年後の展望
第三章 ポーランド音楽とはどのような音楽なのか
(1) ロマン主義的ーー懐古的ーー愛国的な道
(2) 民俗的ーー民族的な道
・ポトハレ地方
(3) 宗教的な道
第四章 音楽のための音楽
(1) 改革者ーー探求する者たち
・両大戦間期のモダニストたち
・新しい音響の探求の中で:「ポーランド楽派」
・新たな源泉からの音響:テープからコンピューターへ
(2) 古楽ーー新たな発想
(3) 様々なインスピレーション
・様々な音の風景
・戯れと冗談
第五章 オペラ
(1) 背景の政治とともに
(2) 第二共和国探訪
(3) 《イルッジェロ王》から《ユビュ王》まで
(4) オペラ展望
第六章 女性史ーーテクラ・ボンダジェフスカの後継者たち
第七章 移民、亡命者、コスモポリタン
(1) 戦時中の亡命者、政治的亡命者
(2) コスモポリタン的ポーランド人
付録 「百年百曲。音楽と時代と自由と」プロジェクトについて
訳者あとがき
人名索引
ダヌータ・グヴィズダランカ 著/白木太一、重川真紀 訳
判型・頁数:A5・208頁
発行年月:2023年12月
ISBNコード:9784276112179
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