アレクサンドル・タロー/ヴェルサイユ最近、ベートーヴェンの「最後の3つのソナタ」で考え抜かれた演奏を聴かせたアレクサンドル・タロー。もちろんレパートリーは幅広く、古典派作品からロマン派、近現代、シャンソンまでとヴァラエティに富んでいます。そんな彼が強く魅了されているのが、17〜18世紀のフランス音楽。以前から彼はラモーやクープランの曲集に取り組んでいますが、今作では更に範囲を広げ、さまざまな作曲家たちの魅力的な小品を紹介しています。 基本的にクラヴサン(チェンバロ)で演奏されるラモーやロワイエ、ダングルベールの作品を現代のピアノで奏でるためには、数々の問題を乗り越えなくてはいけません。例えばダングルベールの非常に装飾的な旋律は、17世紀のクラヴサンに比べ重いアクション(打鍵の仕組み)を要する現代ピアノでは演奏しにくいという問題があります。 しかし、彼は難関をやすやすとクリア。時にはギターや室内楽のための曲を自身でアレンジし、アルバムに加えるなど工夫を凝らし、ヴェルサイユの王宮で奏でられた典雅な曲を完璧に再現しています。冒頭のラモー、クラヴサン曲集のプレリュードは、まさに王宮の扉を開くかのような期待感を持たせていることも忘れてはなりません。またラモーの『優雅なインドの国々』では名ソプラノ、サビーヌ・ドゥヴィエル、『未開人』では若手注目の鍵盤奏者ジュスタン・テイラーが共演。アルバムに花を添えています。(輸入元情報)【収録情報】1. ラモー:クラヴサン曲集第1巻〜プレリュード2. ラモー:クラヴサン曲集 組曲ホ短調〜鳥のさえずり3. ド・ヴィゼー:ギターのための組曲第9番ニ短調〜サラバンド4. ラモー:クラヴサン曲集 組曲ホ短調〜タンブーラン5. ロワイエ:クラヴサン曲集第1巻〜愛らしい6. ラモー:新しいクラヴサン曲集〜ガヴォットとドゥーブル7. ダングルベール:リュリの「ヴィーナスの誕生」によるサラバンド「神の世界」8. ロワイエ:クラヴサン曲集第1巻〜スキタイ人の行進9. ラモー:『優雅なインドの国々』〜来て 結婚の神よ10. ロワイエ:クラヴサン曲集第1巻〜タンブーラン I&II11. クープラン:クラヴサン曲集第25オルドル〜さまよう亡霊12. デュフリ:クラヴサン曲集第4巻〜ポトゥアン13. ラモー:新しいクラヴサン曲集〜未開人(レオン・ロクエスによる4手編曲版)14. ダングルベール:クラヴサン小品集〜シャコンヌ ハ長調15. ダングルベール:リュリの「カドミュスとエルミオーヌ」からの序曲16. クープラン:クラヴサン曲集第25オルドル〜パッサカーユ17. ダングルベール:クラヴサン小品集〜オルガンのためのフーガ・グラーヴェ18. デュフリ:クラヴサン曲集第3巻〜ラ・ド・ブロンブル19. リュリ:『町人貴族』〜トルコ人の儀式のための行進曲(アレクサンドル・タロー編)20. バルバトル:クラヴサン曲集第1巻〜スザンヌ21. ダングルベール:クラヴサン小品集〜スペインのフォリアによる変奏曲 アレクサンドル・タロー(ピアノ) サビーヌ・ドゥヴィエル(ソプラノ:9) ジュスタン・テイラー(ピアノ:13) 録音時期:2019年1月19-22日、2月19-21日&3月16日 録音場所:パリ、サル・コロンヌ&ベルリン、ジーメンスヴィラ 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)Powered by HMV