マーク・パドモアとポール・ルイスによる名演『冬の旅』が復活!テノールのマーク・パドモアとポール・ルイスによる2008年録音の超絶名演『冬の旅』が復活します。 深々と冷え込む冬、どんよりと暗い空の下、ただただ雪を踏みしめて歩を連ねる旅人としての「私」の独白から始まる『冬の旅』。ピアノの前奏、それにつづくパドモアの声は、早くも聴衆を凍てつく冬の世界へと引きずりこみます。パドモアは「私」として、そして同時に、恋にやぶれずたずたになった「私」を非常に冷静に傍観する第三者として、この物語をすすめます。聴衆は、時にパドモア自身が主人公に思え、その主人公に共感して世界に足を踏み入れると、急にその主人公がふっと姿を消し、自分が冷たい世界に閉じ込められてしまったかのような、非常に不思議な感覚世界へと連れて行かれます。 5曲目の有名な『菩提樹』も、やさしさよりも悲しい思い出が勝った演奏。『春の夢』も、あたたかな雰囲気は束の間、すぐに絶望の闇へと引き戻されます。 すべてシューベルトが作曲した時の調性で歌われているのもポイントで、深い集中が一貫して続き、時に気が狂いそうな絶望の淵まで追いやられるような気分になりますが、最後には通常の世界の入り口へと連れ戻されているような感じがするから不思議です。 パドモアの透徹した声と美しい言葉の発声、そしてピアノのとのアンサンブルは完璧。2008年6月の東京での来日公演で(ピアニストはイモジェン・クーパーでした)素晴らしい『冬の旅』を聴かせてくれたパドモア。パドモアは、ラトル指揮ベルリン・フィルの『マタイ受難曲』のエヴァンゲリストを務めるなど世界が認めるテノールですが、この『冬の旅』は彼の数々の録音の中でもひときわ強い存在感を放つ1枚です。ピアノのポール・ルイスも近年のますますの充実ぶりはいうまでもありませんが、この『冬の旅』のピアノの演奏も稀有なものといえるでしょう。(輸入元情報)【収録情報】● シューベルト:歌曲集『冬の旅』 D.911 おやすみ 風見の旗 凍った涙 かじかみ 菩提樹 溢れる涙 川の上で 回想 鬼火 憩い 春の夢 孤独 郵便馬車 霜おく頭 からす 最後の希望 村で あらしの朝 幻覚 道しるべ 宿屋 勇気 幻の太陽 辻音楽師 マーク・パドモア(テノール) ポール・ルイス(ピアノ/スタインウェイ) 録音時期:2008年11月、12月 録音場所:Air Studios, Lyndhurst Hall, London 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)Powered by HMV