日本の植民地支配からの解放、そして朝鮮戦争・分断へといたった時代。子どもたちは、きびしく非情な現実を懸命に生きた!1950年6月、朝鮮半島を南北へ分断する戦争が始まった。戦線が南へ、北へと移動するたびに、人々の生活は入れ替わる支配者に翻弄される。やがてソウルでも空襲が激しくなり、人間らしく平穏に暮らしたいという人々の願いはふみつぶされていくーーそんなきびしい世界で、子どもたちは何を選択し、どう生きようとしたのか。本当はどんなふうに生きたかったのか。戦時下に中学生だった子どもたちにも、日常があり“夢”があった。戦争・分断という過酷で不条理な現実に翻弄されながらも、それでも自分らしく生きることを模索した主人公たちのひたむきな姿。過ぎ去った歴史の断片からそんな子どもたちの生の声をよみがえらせた、韓国の実力派作家によるYA小説の傑作。※本書『あの夏のソウル』は『1945,鉄原』の約3年後から始まる物語で、登場人物も一部重なりますが、本書から先に読んでも楽しめます。1950年6月あの夏のソウル季節が変わるとき1953年7月27日 *作者あとがき日本の読者のみなさんへ作品解説(徐台教)