芸術家、坂本龍一の1984年マス・メディアを実験場に展開したメディア・パフォーマンスの諸相芸術の未来を拡張せよ坂本龍一が「パフォーマンス元年」と称する「1984年」に注目し、生涯にわたって「メディア」を革新し続けた芸術家としての足跡をあらためて紐解く。メディア戦略としての出版社「本本堂」、書籍というメディウムそのものによるパフォーマンス、世界最大級のテレビ「ジャンボトロン」を用いたメディア・イベント「TV WAR」……多彩なプラットフォームで発表された作品群、その時々に遺された発言、そして、坂本龍一へのインタビューをもとに、「マス・メディアの中の芸術家像」を「メディア・パフォーマンス」というキー・タームから解き明かす。はじめに第1部 マス・メディアの中の芸術家像──1984/85年を中心に第1章 メディア・パフォーマンスというゲリラ戦第2章 作曲家・坂本龍一と武満徹という芸術家像第3章 「1984/85年のメディア・パフォーマンス」のための質問状第2部 20世紀芸術を超えて──坂本龍一インタビュー第4章 武満徹との50年を振り返る(2018年)第5章 1984/85年のメディア・パフォーマンス(2019年)第6章 あるがままのSとNをMに求めて(2017年)第3部 音楽のエラボレーション──21世紀の表現へ第7章 日記という表現形式から第8章 解体から沈黙へ第9章 コモンズを求めて──配信者という芸術家像のはじまりおわりに