オリンピック連覇を果たした羽生結弦。幼き日の羽生を見出し、徹底的に基礎を教え続けたコーチが都築章一郎だ。五〇年以上にわたり日本フィギュアスケートの発展に貢献してきた名伯楽は、現在も精力的に多くのスケーターに指導を続けている。都築が若き日に、フィギュアスケートの手本としたのが芸術大国ロシアだった。私財をなげうち、日本のフィギュア界の礎のために世界を奔走してきた生き様、そして知られざる日露文化交流史をも描く!【目次】序章エドゥアルド・アクショーノフは語る第一章 都築章一郎は語る第二章 アレクセイ・ミーシンは語る第三章 都築章一郎はふたたび語る第四章 ヴィクトル・ルイシキンは語る第五章 都築奈加子は語る第六章 タチアナ・タラソワは語る終章 都築章一郎は三たび語る都築は羽生に言った。「挑戦をしなさい」「未知の世界に向かいなさい」そして、こう言い続けた。「芸術家になりなさい」都築章一郎(つづき・しょういちろう)1938年愛知県出身。日本大学卒業。卒業後は指導者となり、1964年日本フィギュアスケーティングインストラクター協会に参画。佐野稔をはじめ多数の選手を育成した。また、ソ連(当時)より有力コーチを招聘し、日本フィギュア界の発展に貢献。1987年より14年間、日本フィギュアスケーティングインストラクター協会理事長を務め、指導者資格認定制度を確立。1991年より4年間、日本オリンピック委員会(JOC)主任強化コーチ。五輪二連覇の羽生結弦を小学2年より高校時代にかけて指導。【著者プロフィール】宇都宮 直子(うつのみや・なおこ)ノンフィクション作家、エッセイスト。医療、人物、教育、スポーツ、ペットと人間の関わりなど、幅広いジャンルで活動。フィギュアスケートの取材・執筆は二〇年以上におよび、スポーツ誌、文芸誌などでルポルタージュ、エッセイを発表している。『人間らしい死を迎えるために』『ペットと日本人』『別れの何が悲しいのですかと、三國連太郎は言った』『羽生結弦が生まれるまで日本男子フィギュアスケート挑戦の歴史』『スケートは人生だ!』ほか多数。