魚や釣りのシーンをモチーフにしたフィッシングアートの世界は、釣りを嗜む人以外にも広く受け入れられ、愛されている。写真や絵画、イラストレーション、ガラス工芸、漆器・陶器に至るまで、さまざまな作品が身近に存在し、水辺の営み、魚たちの息吹、釣りの臨場感を日々の暮らし中で感じることができる。緻密に観察描写された魚類図譜、スーパーリアリズムを追求した超細密イラスト、釣魚から命を転写するカラー魚拓、陶器やガラス工芸の中に踊る魚たちの生命感と用の美。そして、日本古来の絵画表現・浮世絵に登場する釣りガールたち。水際に煌めく世界をモチーフに創作活動を行うアーティスト、作品に注目し「もう一つの釣り世界」を紹介する。3 ◎巻頭インタビュー ウイスキー評論家・ジャーナリスト 土屋守 同じ流れ、同じ水の中で13 ◎特集:-釣りを巡る美術・芸術探訪ー 水際の奇跡を眺める、もう一つの釣り世界15 ◎釣り人目線で描く、生命みなぎる原色図譜/長嶋祐成〔魚譜画家〕21 ◎対象を克明に描写し、生命の息吹を表現する/内田進〔超細密画家〕25 ◎釣り上げてこその美と技/松永正津〔魚拓アーティスト〕29 ◎「魚紋・海老紋」を刻んだ南方の英雄/金城次郎〔陶芸家〕35 ◎ガラスの中には「一瞬」と「永遠」がある/ルネ・ラリック〔ガラス工芸作家〕39 ◎釣美人「釣りガール」に見る浮世絵の世界●連載コラム43 魚食発酵コスモロジー/小泉武夫45 太公望万歳!/三代目・三遊亭金馬47 うたぐる釣り人/アーサー・ビナード49 WATER FRONT GALLERY/村上康成51 釣人たちの輪舞曲/錦織則政58 【特別企画】アーサー・ビナードの釣りと旅64 釣具、漁具の歴史とその変貌【釣具物語】68 フィッシング・カフェ・クラブ Fishing Café CLUB