中小企業の理想像をめぐる議論は、ベンチャー企業論やイノベーション論とも関連していまも盛んだ。下請型中小企業論に加え、真反対の小さな巨人=ニッチ企業もある。ただ勇ましいだけのベンチャー論やニッチ論だけでは従来の中小企業像に置き換えるには無理がある。拡大経済から縮小経済へと向かうなかで中小企業像はどうあるべきか。本書は、これから社会へ巣立つ若者たちへの提言である。 『中小企業の経営社会学ーもうひとつの中小企業論』 寺岡 寛(中京大学経営学部教授) 著【目 次】はしがき序 章 中小企業論の今昔第一章 中小企業の実虚像 経営社会学の方法 中小企業の誕生論 中小企業イメージ 中小企業の実虚像第二章 中小企業と創業者 労働市場と創業者 創業者の諸系譜論 事業展開と幸運論第三章 中小企業と地域史 事業活動と地域史 地域の経済社会史 中小企業の役割論第四章 中小企業と経営史 企業規模と経営観 企業規模イメージ 企業規模と経営論第五章 中小企業の生き方 過去から現在へ 現在から将来へ ローカル経済論終 章 未完の中小企業論 強者論か弱者論か 強者は語らずとも 弱者は語らずとも 中小企業の将来像あとがき参考文献事項索引