★ 弘法大師にご縁の深い地を巡る「心の旅」をわかりやすい地図と写真でご案内します。◇◆◇ 四国別格二十霊場「同行二人」へのお誘い ◇◆◇四国別格二十霊場は弘法大師さまとご縁深き霊場が集う霊場で御座います。そして私ども衆生と共に歩まれるという「同行二人」の教えをより身近に感じられる霊場です。各霊場には御大師さまが、巡錫(御大師さまが修行の為に四国を巡られたこと)の折に残された逸話が多数残されております。例えば第三番慈眼寺では、穴禅定という修行が出来ます。何とか潜り抜けることのできる狭い洞窟の中をローソクの明かりだけを頼りに這うように進んで参ります。案内の先達さんの云うことに素直に従わなければ進めません。全国の穴修行の中でも、最も過酷かもしれませんが、無事に外に出てこれた時の達成感は、ひとしおです。また、第八番十夜ヶ橋は土橋の下で野宿された御大師さまが一夜を十夜にも長く感じられた歌を詠んだことから名付けられました。四国の道中、橋の上では杖は突かないという習わしは、この話が由縁です。他にも、四国遍路の開祖といわれる衛門三郎との深いご縁のある第九番文殊院。疫病を椿の杖で封じ込め、その木が大樹となりその子孫が現存する第十四番椿堂。以上のような、庶民に親しまれる霊場もあれば、広大な境内に荘厳な伽藍を有する寺院も有ります。しかしながらその札所に共通することは、大師信仰に基づく衆生済度の御教えです。苦難の時も安楽な時も、同行二人というお姿で寄り添って下さる御大師さまを、身近に感じて頂けるのが別格二十霊場です。四国別格二十霊場会 会長別格第十四番 椿堂住職 田中 鐘暁※ 本書は2013年発行の「四国別格二十霊場 札所めぐりルートガイド ~八十八ヵ所と共に巡るお遍路~」を元に、再編集した新版です。