情報技術を利用すれば企業経営がともかくもうまくいく、といったことはない。「情報技術を駆使しようとすればするほど、企業戦略や人的要因や組織要因そして社会的要因との組み合わせが重要になる」。 本書はシリーズの第5巻目として、今日的な情報技術を駆使して企業経営がどのように行われているか、どのように行うべきかを明らかにするための基礎を学ぶことを目的といて編まれている。 大きくは経営情報基礎論、情報論的経営戦略・組織論、現代情報技術応用論、情報論的経営社会論の4つのパートからなり、本来、企業経営はいかにあるべきかという本質論をベースに、社会的存在としての企業の情報的企業経営を論じた。経営情報論の基礎テキストに最適。第1章 現代の企業経営と情報技術 1 生存系としての企業 2 企業変革と情報機能 3 情報技術の可能性と限界 4 企業経営と情報システム第2章 経営情報システムの変遷 1 情報システムとブーム現象 2 産業革命と情報技術革命 3 経営情報システムの変遷第3章 経営戦略と情報技術 1 経営戦略における情報技術の意義 2 経営戦略における情報技術の意義 3 資源ベース戦略と持続的競争優位 4 ケイパビリティと情報技術との関係 5 今日的な情報化戦略第4章 経営組織と情報技術 1 経営組織と情報技術の相互作用 2 情報技術と組織構造 3 情報技術と組織能力第5章 組織間関係と情報技術 1 組織間関係の基礎 2 情報技術による組織間関係のオープン化 3 仲介組織の介在と排除 第6章 ナレッジ・マネジメントにおける情報技術 1 知識の時代 2 ナレッジ・マネジメントのフレームワーク 3 ナレッジ・マネジメントの実践 4 ナレッジ・マネジメントの推進体制第7章 現代の情報技術環境 1 コンピュータの進展 2 コンピュータネットワーク 3 インターネット 4 ソフトウェア 5 データベース 6 情報システムの構成第8章 現代のシステム開発技法 1 経営戦略と情報システム 2 システム開発の手順 3 システム開発での着眼点 4 パッケージ、ASPによるシステム開発第9章 現代の情報技術活用技法 1 ネットワークによる情報システムの発展 2 データウェアハウス 3 グループウェアの発展 4 情報システムによる企業間連携 5 インターネット利用の発展(Web2.0)第10章 ITガバナンスと情報セキュリティ 1 コーポレート・ガバナンスとITガバナンス 2 ITガバナンスと情報セキュリティ 3 ITガバナンスと情報倫理 4 ITガバナンスの確立とシステム監査 5 ITガバナンスのモデル第11章 共生社会と情報システムの課題 1 e-Japan戦略の策定と展開 2 21世紀の日本ーーアメリカ型か北欧型か 3 共生社会へ向けて 4 情報システム立ち遅れの原因 5 優れた情報システムのタイプと条件 6 情報システムの課題ーー環境と共同体(コミュニティ)