海のはるか沖の水は、やぐるまそうの花びらのようにまっさおで、いちばん透き通ったガラスのように澄みきっていました。このような書き出しで始まるのはハンス・クリスチャン・アンデルセンの名作を元にしたロバート・サブダのとびだししかけえほんです。まるで魔法を見ているような楽しいしかけがいっぱいのこのえほんに、読者は幻想的な3次元のドラマへひきずりこまれます。海や船や宮殿のシーンを通して、自分を犠牲にしてまで愛をかなえようとする人魚ひめの物語を追います。人魚ひめが心を開いていくうちに、真実の愛の物語が読者の心をとらえ、魅了します。