如意棒片手にひとたび?斗雲にうちまたがれば、十万八千里もひとっ飛び、ご存じ孫悟空の物語。天宮を騒がせ、お釈迦様に五行山の下に閉じこめられた悟空は、500年後、縁あって三蔵法師に救われ、猪八戒、沙悟浄とともに、仏典をもとめて遙か天竺は雷音寺へめざして取経の旅にでます。手を替え品を替え襲ってくる妖怪変化の群れ。はたしていかなる運命が一行を待ち受けているのでしょうか。小学校上級以上。【出版社より】中国の文学作品のなかでもずばぬけて面白いこの「西遊記」は、日本では古く江戸時代から親しまれ、多くの読者に愛されてきました。現存する最古のテキストに拠り、民間に伝えられていた宋代の講談の調子を生かした君島久子さんの名訳にのせて語られる悟空たちの活躍は、痛快無比。まるでその場面を実際にみてきたかのような、瀬川康男さんの挿絵は、3年の歳月をかけて描かれたもの。悟空も、妖怪変化も、本の中を所狭しと暴れ回ります。