なにもわすれることがないように、リスは家じゅうのかべに、小さな紙きれをはっておきました。そのうちのひとつ、すみっこのほうの紙きれには「ぼくのたんじょうび」と書いてあります。 「ほんとうだ! もうすこしで、わすれるところだったよ! ぼくのたんじょうびを……」 待ちにまった当日、リスは招待した動物たちにたくさんのケーキをふるまい、いっしょにダンスをおどり、とびきりすてきな1日をすごすのですが……。 わすれっぽいリスの、わすれられない夜を描いた表題作「リスのたんじょうび」と、8つの小さな物語。オランダの国民的作家がおくる、宝物のような短編集です。リスのたんじょうび カタツムリのたてまし ほこりがひとつ サイのほしいものリスト ケーキぎらいのためのケーキ マッコウクジラとカモメ ごちそうのならんだテーブル 仮装パーティー 小さな黒い箱