▼第1話/肉の旨味▼第2話/昼メシの効果▼第3話/直火の威力▼第4話/女の華▼第5話/旅先の知恵▼第6話/酒の効用▼第7話/食卓の広がり▼第8話/うどんの腰▼第9話/板前の条件▼第10話/茶の味わい▼第11話/縁日のにぎわい▼第12話/味噌の仕込み▼第13話/青竹の香り ●主な登場人物/山岡士郎(27歳。東西新聞文化部員。膨大な食の知識を持つ。東西新聞の壮大な企画「究極のメニュー」の作成を担当)、栗田ゆう子(22歳。東西新聞文化部員。山岡と共に「究極のメニュー」を担当する)、海原雄山(名だたる陶芸家、画家であり、「美食倶楽部」を主催する食の探究者でもある。山岡の実父) ●あらすじ/山岡たちは、あるステーキレストランを訪れた。そこは、日本で一番美味しいといわれる大南牧場の牛を使っていることで評判の店。だが食べてみると、山岡は満足いかない様子だ。そして隣のテーブルに座っていた男は、ステーキを口にした途端「まずい。ひどすぎる」と泣き出した。この人は大南牧場の牧場主だったのだ。どこが悪いのかわからず困惑するシェフに、山岡はステーキを焼く名人の伝助老人を紹介する。名人の焼くステーキはどこが違うのか?(第1話)。 ●本巻の特徴/珍しい女性寿司職人・夏子を巡る「女の華」。50倍の難関を突破し美食倶楽部の料理人になったものの、作った料理が雄山の逆鱗に触れ、追い出されてしまった若い板前・良三の話「板前の条件」。その他、チャーハン、浜鍋、日本酒、カツ丼、お茶、タコ焼きなどをテーマにした13編が収録されている。食べ物や料理の知識が得られ、またそれにまつわる人間ドラマも楽しめる文庫版第3集。 ●その他の登場人物/大原大蔵(東西新聞社社主)、谷村秀夫(東西新聞社文化部部長)