ベルリン・フィル・チェロ・セクションを担う2人の若き巨匠をむかえ、ゲーベルがベートーヴェン生誕250年にこそ実現するスペシャル・プロジェクト『ベートーヴェンの世界』第2弾は2台チェロのための超難曲コンチェルト!世界初録音2曲収録!あのムジカ・アンティクヮ・ケルンの創設者で、斬新な解釈で世界を驚かすラインハルト・ゲーベルが、ベートーヴェン・アニヴァーサリーにおくるスペシャル・プロジェクト『ベートーヴェンの世界』。2020年中までに全部で5枚のディスクが発売される予定で、『ベートーヴェンの世界』と銘打ちながらベートーヴェンの作品はごく少なく、むしろベートーヴェンと同時代の作曲家の知られざる作品に光を当て、世界初録音も多数含まれるというのが鬼才ゲーベルらしいところ。その第1弾はベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を初演したフランツ・クレメントの協奏曲2曲を名手ミリヤム・コンツェンとの共演でリリースし、世界的に話題を呼んでいます。 シリーズ第2弾となる当アルバムでは、ベルリン・フィルのチェリスト二人を起用し、やはりベートーヴェンと同時代の作曲家ライヒャ(レイハ)とロンベルクの、2つのチェロのための協奏的作品を収録。 アントン・ライヒャ(アントニーン・レイハ)[1770-1836]は、チェコ出身の作曲家、音楽理論家。ベートーヴェンとは同年生まれで、1785年ライヒャはケルン選帝侯マクシミリアンの宮廷楽団のフルート奏者としてボンに移ったとき、同じ楽団でヴィオラ奏者だったベートーヴェンと知り合っています。ベートーヴェンとともにボン大学に入学、フランス革命軍によってボンが占領され、宮廷楽団は解体されたためにハンブルクに移り、ピアノ及び作曲の教師となりましたが、1801年ウイーンに移り、その時にベートーヴェンと再会。ハイドンに師事、マンハイム楽派やグルック、モーツァルトなどの影響を受けています。もともとフルート奏者だったため木管五重奏曲をはじめとする管楽器のための作品を多数残し、この分野での開拓者として知られています。またパリ音楽院の作曲科教授として、リスト、ベルリオーズ、グノー、フランクらを育てています。 ベルンハルト・ロンベルク[1767-1841]はドイツのチェリストで作曲家。ボンの選帝侯ケルン大司教宮廷オーケストラに1790年に参加し、ここでベートーヴェンと出会っています。ベートーヴェンはロンベルクの音楽家としての才能に敬服し、尊敬の念を持っていたそうです。なおロンベルクはベートーヴェン没後の1828年2月7日に、指揮者として『レオノーレ』序曲第1番の初演を指揮しています。 この時代に「2つのチェロのための協奏的作品」は他にはほとんど無く、2作品とも技巧的で独創的な実験に満ちており、ベートーヴェンの音楽文法への明確な言及を示しています。チェロ独奏は若きベルリン・フィルのメンバーが起用され、シュテファン・コンツは「フィルハーモニクス」「ベルリン・フィル12人のチェリスト」のメンバーでもあります。ブリュノ・ドルプレールは、ベルリン・フィル第1首席チェロ奏者であり「ベルリン・フィル12人のチェリスト」「ベルリン・ピアノ四重奏団」のメンバーも務めています。 3曲目に収録されたヨーゼフ・フォン・アイブラー[1765-1846]は、遠縁のハイドンと家族ぐるみの付き合いがあり、アルブレヒツベルガーに作曲を師事し、モーツァルトに次ぐ楽才の持ち主と認められました。ハイドンも称賛の念を惜しまなかったといいます。アイブラーはハイドンを通じてモーツァルトに出逢い、その指導を受けまし。彼はモーツァルトに信用され『コジ・ファン・トゥッテ』のリハーサルや上演で指揮をとりました。モーツァルトの死後、コンスタンツェはモーツァルト未完の『レクィエム』を完成させてくれるようアイブラーに持ちかけましたが、その要求をかなえることはできませんでした。その管弦楽作品の『ディヴェルティメント』がここに世界初録音で収録されています。 技巧が駆使された2つのチェロの息の合った妙技。またゲーベルのアプローチも変わることなく、モダン楽器オーケストラを意のままに操り、ロマンティックな情熱を込めた演奏を繰り広げています。(輸入元情報)【収録情報】1. ライヒャ:2つのチェロのための協奏交響曲ホ長調2. ロンベルク:2つのチェロのためのコンチェルティーノ イ長調 Op.723. アイブラー:1805年謝肉祭の火曜日のためのディヴェルティスマン ブリュノ・ドルプレール(チェロ:1,2) シュテファン・コンツ(チェロ:1,2) ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団 ラインハルト・ゲーベPowered by HMV