「どの町、どの村を訪ねてみようと、そこにはアンダルシアならではの青い空、白い壁、紅い花があり、大気のうちには、たぶん明るすぎるゆえの哀しみなのだろうか、説明のつかないひとつの哀愁が漂っている」──本文より日本を代表する音楽評論家でスペイン文化研究家の濱田滋郎による待望の新著。スペイン文化をもっとも色濃くたたえ、東西の文明の交錯する「秘法の地」──アンダルシア。その地誌、歴史、民族、そしてその地に花開いたフラメンコをはじめとする芸能・芸術の魅力を、美しい写真とともに、かつてないスケールで描いた唯一無二のスペイン文化論。「愛よりも深いまなざしをスペインに向けておられる濱田先生と、紀元前から現代までの流れを、アンダルシアを柱に味わう贅沢!後世に残るべき名著が今ここに生まれました!」──村治佳織さん(ギタリスト)「これだけの情報量と深い洞察を一人の信頼のおける著者の視線と価値観にもとづいて得られるのは、なんと恵まれていることかと感謝の念を禁じえない」──解説:川瀬佑介(美術史家、国立西洋美術館主任研究員)※本書は1999年4月から2001年8月まで『パセオフラメンコ』(パセオ)に連載された「約束の地、アンダルシア」を単行本化したものです。