「お願いです……最後にわたしといて」 そして彼女は、こう続けた。「終わりのときまで、二人でいさせて」 日和の宣言通りに訪れた「終わり」。お願いの力でもなすすべのない崩壊の中、深春と日和は旅立つ。この壊れた世界で、ふたりだけで生きるために。そして……つかの間の、夢のような日々の先に。 終わったはずの世界の姿を、ふたりはーー俺と彼女は目にする。 葉群日和。 世界を変える「お願い」の力を秘めた女の子。本当はごく普通に、俺の彼女でありたかった女の子。 海と山と坂の街、尾道。あの頃、きっと壊れないと思っていた日々の中で始まった、終われない恋の行く末で。 彼女は、最後のお願いをする。