コートの「中」と「外」という視点を軸に、地域のコミュニティ型のクラブ文化を問い直す。『「コートの外」より愛をこめ』も復刊して、クラブのマネジメントのハウツーでもなく、歴史でもなく、スポーツクラブの現代的な意義と今後の展望を明らかにする。まえがき 水上博司第1部 スポーツクラブの社会学序 章 「コートの中」と「コートの外」からスポーツクラブを問う 水上博司 1 市民スポーツクラブと社会学 2 本書の問い 3 日本スポーツ界の今日的課題 4 「コートの中」と「コートの外」とは 5 本書の独自性 6 本書の構成第1章 「コートの外」空間におけるクラブワークをめぐる「ゆらぎ」--なぜ、総合型地域スポーツクラブの理念は必ずしも現実と一致しないのか 谷口勇一 1 総合型地域スポーツクラブの現在地 2 総合型クラブがもたらしたもの 3 総合型クラブでのクラブワークの実際 4 学校運動部活動とクラブワーク 5 クラブワークと総合型クラブのゆくえ第2章 トライアスロンにみるスポーツ空間の「ゆとり」--市民スポーツ/地域スポーツはいかにして「スポーツになる」のか 浜田雄介 1 スポーツになっていない? 2 「皆生」の始まり 3 「皆生」の現在 4 「皆生」の「ゆとり」と体験 5 百八十五・一九五キロの果てに第3章 「待つ」行為における「さぐり」--「共育」コーチングとして指導者に求められるのはどのような姿勢か 迫 俊道 1 スポーツと「待つ」行為 2 指導者にとっての「共育」 3 伝統芸能における身体所作の指導 4 伝統芸能における「さぐり」 5 スポーツにおける「待つ」行為の可能性 6 「共育」コーチングとして指導者に求められる姿勢第4章 語らいと熟議がもたらす「つながり」--これからのミーティング空間に求められるのはどのようなコミュニケーションか 水上博司 1 コミュニケーションの民主化 2 チームワーク至上主義 3 語らい型コミュニケーション 4 熟議型コミュニケーション 5 「運動部文化」から「クラブ文化」へ第2部 「コートの外」より愛をこめ[復刻]--スポーツ空間の人間学 荒井貞光はじめに第1章 スポーツ空間論の試み 1 遊びの理論とスポーツ 2 「コートの中」と「実社会」 3 「コートの外」の意味と意義 4 現代スポーツと「コートの外」第2章 豊かなスポーツ空間の創造 1 タテマエの参加、ホンネの参加ーースポーツの世界の社交論 2 チームかクラブかーースポーツ集団論の展開 3 チームワークからクラブワークへーースポーツ・ネットワーキング 4 リーダーシップのバトンタッチーーライフサイクル論の必要性 5 コーチ、マネージャー、オーナーーー指導者の類型論 6 ゲームズマンシップとスポーツマンシップーースポーツマン精神の再創造 あとがき 谷口勇一