闇の帝王は、友もなく孤独に、朋輩に打ちすてられて横たわっている。その召使いは12年間鎖につながれていた。今夜、真夜中になる前、その召使いは自由の身となり、ご主人様のもとに馳せ参ずるであろう。闇の帝王は、召使いの手を借り、再び立ち上がるであろう。とんでもない魔法事故を引き起こしてしまったハリー・ポッターは、ダーズリー家を飛び出し、リトル・ウィンジング通りにやってきた「夜の騎士バス」で逃げ出した。ハリーは重い処罰を覚悟していたが、魔法省はもっと大きな獲物であるシリウス・ブラックに気を取られているーーヴォルデモート卿の忠実な配下で、アズカバンの牢を脱獄した極悪人だ。そのブラックがハリーを狙っているとの情報を受けて、魔法省はアズカバンの看守である吸魂鬼をホグワーツ校に送り込んだ。接吻で魂を吸い取る恐ろしい妖怪が構内をうろつくことになったのだ。ホグワーツ校の3年生になったハリーは、自らの過去についての新しい真実を知り、暗い噂や死の予兆に付きまとわれることになる。そして、闇の帝王の最も忠実な部下の一人と遭遇することに...... 。